【英語面接対策】希望年収の伝え方完全ガイド|聞かれる理由・決め方・例文を徹底解説
外資系企業の英語面接では、スキルや経験だけでなく、自己評価や将来のビジョン、そして「希望年収(Desired salary)」について聞かれる場面が必ずと言っていいほど訪れます。
希望年収は、単に「いくら欲しいか」を伝えるだけの質問ではありません。採用担当者はこの回答から、応募者の自己分析力や市場感覚、企業とのマッチ度まで見極めようとしています。一方で、答え方を誤ると「自信過剰」「自己評価が低い」「準備不足」といった印象を与えてしまい、内定やその後の条件交渉に影響することもあります。
本記事では、英語面接で希望年収を聞かれたときに自信を持って答えられるよう、企業が質問する意図から、希望額の決め方、英語での伝え方のポイント、NG例、書類・メールでの表現方法まで、実践的な内容を網羅して解説します。あわせて、キャリアプランの伝え方や逆質問のコツについてもご紹介しますので、面接全体の対策としてぜひ活用してください。
目次
採用担当者が希望年収を聞く理由

希望年収について質問する背景には、企業側の明確な意図があります。回答を考える前に、まずは「なぜ聞かれるのか」を理解しておきましょう。
企業の採用条件に合致しているか確認する
企業が募集する各ポジションには、あらかじめ設定された予算(給与レンジ)があります。応募者の希望年収がそのレンジから大きく外れている場合、どれほど優秀な人材であっても採用が難しくなるケースは少なくありません。特に欠員補充のポジションでは、前任者とほぼ同等の年収水準で採用されることが多く、希望年収を早い段階で確認することで、双方にとって時間のロスを防ぐ目的があります。
応募者の価値観・自己評価を探る
希望年収の金額そのものから、応募者が自分のスキルや経験をどう評価しているかが見えてきます。相場よりも著しく高い金額を提示すると「自己評価が高すぎる」という印象を与えかねませんし、逆に低すぎる金額は「自分の市場価値を正しく理解できていないのでは」と捉えられることもあります。根拠のある適正な金額を伝えることで、自己分析力や市場感覚を備えた人材であるという印象を与えることができます。
長期的なコミットメントを見極める
年収条件のミスマッチは、入社後の早期離職につながるリスクがあります。企業としても、採用した人材には長く活躍してほしいと考えているため、希望年収のすり合わせは双方が納得したうえで入社するための重要なプロセスです。条件に納得していない状態で入社すると、モチベーションの低下や早期退職につながりやすいため、面接の段階で正直かつ現実的な希望を伝えることが、結果的にお互いのためになります。
希望年収の決め方
希望年収は「なんとなく高めの金額を答える」ものではなく、根拠を持って設定することが重要です。以下の手順で整理しておきましょう。
現職の給与と生活費を確認する
まずは、現在(前職)の年収を正確に把握することから始めます。基本給だけでなく、賞与やインセンティブ、各種手当を含めた総支給額を、源泉徴収票や給与明細で確認しましょう。「だいたい〇〇万円くらい」という曖昧な認識のままでは、面接で具体的な根拠を説明することができません。
また、転職後に生活水準を下げたくない場合は、住居費・食費・通信費・保険料などの固定費を積み上げて、「これ以上は妥協できない最低ライン(生活保障ライン)」を算出しておくと、交渉時の判断軸になります。
業界・職種の給与相場をリサーチする
求人サイトや転職エージェントが公開している業界・職種別の平均年収データを参考に、自分のポジションにおける市場相場を把握しましょう。厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」のような公的データや、外資系企業に強い転職エージェントが持つ非公開求人の年収情報なども参考になります。相場観を持つことで、現実的かつ説得力のある希望年収を設定できます。
自分の市場価値とスキルを評価する
市場相場を踏まえたうえで、自身の資格・スキルレベル・実績・マネジメント経験などを加味し、適正な年収を算出します。重要なのは、「なぜその金額を希望するのか」を自分の言葉で説明できる状態にしておくことです。語学力や専門知識、マネジメント経験など、他の候補者との差別化につながる要素を整理しておきましょう。
希望額の範囲と最低ラインを決める
最後に、希望年収を一つの金額ではなく「範囲(レンジ)」で設定します。例えば希望額が600万円であれば、550万〜600万円ではなく、600万〜650万円のように、希望額を範囲の下限に近い位置に設定すると、交渉の際に有利に働きやすくなります。あわせて、これ以上は譲れないという最低ラインも明確にしておくことで、面接当日に焦らず冷静に対応できます。
希望年収を英語で伝えるポイント

希望年収の根拠が固まったら、次は英語でどのように伝えるかを準備しましょう。日本語面接以上に、簡潔かつ論理的な伝え方が求められます。
総支給額(gross salary)で答える
英語面接で年収について話す際は、手取り額ではなく、税引き前の総支給額(gross salary/annual salary)をベースに答えるのが基本です。手取りベースで伝えてしまうと、企業側との認識にズレが生じやすくなるため注意しましょう。
- “I am expecting an annual gross salary of around 8 million yen.”
(総支給額で年収800万円程度を希望しています)
金額に幅を持たせて提示する
一つの金額を断定的に伝えるのではなく、50万〜100万円程度の幅を持たせて答えるのが一般的です。これにより、相手に交渉の余地を感じさせつつ、自分の希望水準も明確に伝えることができます。
- “My salary expectation is between 7 and 7.5 million yen.”
(希望年収は700万〜750万円の間です)
現職ベースに根拠を添える
希望年収だけを伝えるのではなく、現在の年収や実績を根拠として添えることで、説得力が増します。「なぜその金額なのか」を明確にすることが、自己評価の妥当性を示すポイントです。
- “Based on my current salary and the experience I would bring to this role, I’m looking for a base salary in the range of 7 to 7.5 million yen.”
(現在の年収と、本ポジションにもたらせる経験を踏まえると、基本給として700万〜750万円程度を希望しています)
謙虚さと柔軟性を示し、御社の規定に従う姿勢を伝える
希望年収を伝える際は、強気な主張だけでなく、柔軟性や謙虚さを示す表現を添えることで、印象を和らげることができます。特に「御社の評価制度や給与体系に従う」という姿勢を見せることは、外資系企業の面接でも好印象につながります。
- “Salary is important to me, of course, but what matters more is working with a great company, a supportive boss, and an excellent team where I can grow. If I can at least maintain my current salary level, I’d be very happy, and I’m willing to follow your company’s evaluation system and salary structure.”
(給与はもちろん大切ですが、それ以上に、良い会社や信頼できる上司、優秀なチームとともに成長できる環境が重要だと考えています。現在の年収水準を維持できれば嬉しいですし、御社の評価制度や給与体系に従う形で考えています)
現年収を伝えたうえで、「最低限、現年収はキープしたい」という意向を添えると、謙虚さと現実的な希望のバランスが取れた回答になります。
回答のタイミングと交渉術
希望年収は、自分から切り出すのではなく、面接官から質問されたタイミングで答えるのが基本です。また、できれば面接の終盤、つまり職務内容や福利厚生についてある程度理解を深めたあとに金額の話をするほうが、より現実的で根拠のある回答がしやすくなります。
もし序盤で聞かれて判断材料が不足している場合は、以下のように一旦質問を返す、または回答を後ろ倒しにすることも有効です。
- “Before discussing salary, I’d like to learn a bit more about the role and responsibilities so I can give you a more accurate expectation.”
(給与についてお話しする前に、職務内容や役割についてもう少し伺いたいと思います。そのほうがより正確な希望をお伝えできますので) - “It would be helpful if you could share the salary range for this position.”
(このポジションの給与レンジを教えていただけると助かります)
希望年収を伝えるときのNG例

以下のような回答は、採用担当者に好ましくない印象を与える可能性があるため避けましょう。
低すぎる金額や高すぎる金額を答える
相場とかけ離れた低い金額は「自分の価値を正しく理解していない」、逆に高すぎる金額は「自己評価が高すぎる」「コストに見合うパフォーマンスを出せるのか」という疑念につながります。事前のリサーチに基づいた現実的な金額を提示することが大切です。
「特になし」「いくらでもいい」と答える
謙虚さを示そうとして「特に希望はありません」「御社にお任せします」とだけ答えてしまうと、自己評価ができていない、あるいは準備不足という印象を与えてしまうことがあります。柔軟性を示すこと自体は良いことですが、最低限の希望水準や根拠は明確に伝えるようにしましょう。
一貫性のない回答や根拠のない要求
応募書類に記載した希望年収と面接での発言が食い違っていたり、明確な理由なく高額を要求したりすると、信頼性を損ないます。書類・面接を通じて一貫した希望額を伝え、根拠を説明できる状態にしておくことが重要です。
英語面接での質問例と回答例
実際の面接でよく使われる質問と、良い回答・避けたい回答の例を見ていきましょう。
よくある質問例
- “What are your salary expectations?”(希望年収を教えてください)
- “How much are you currently earning?”(現在の年収を教えてください)
- “What salary are you considering for this role?”(このポジションでどのくらいの給与をお考えですか?)
良い回答例
◆幅を持たせた回答
“My salary expectation is between 7 and 7.5 million yen, based on my experience and the market rate for this type of role.”
(希望年収は経験と業界相場を踏まえ、700万〜750万円の間です)
◆現職を基準にした回答
“My current annual salary is 6.5 million yen. Given the scope of this role and my relevant experience, I’m hoping for a salary in the range of 7 to 7.5 million yen.”
(現在の年収は650万円です。本ポジションの業務範囲と私の経験を踏まえると、700万〜750万円程度を希望しています)
◆昇給希望を述べつつ柔軟性を示す回答
“I would appreciate a modest increase from my current salary, but I’m also open to discussing the full compensation package, including bonuses and benefits.”
(現在の年収から多少の昇給を希望していますが、賞与や福利厚生を含めた報酬全体についても柔軟にご相談できればと思います)
悪い回答例
◆金額のみを強調する回答
“I want at least 9 million yen, no less.”
(最低でも900万円は欲しいです。それ以下では困ります)
→ 根拠が示されておらず、柔軟性も感じられないため、印象を悪くする可能性があります。
◆不満を露わにする回答
“My previous company paid me far too little for the work I did, so I expect a big raise here.”
(前の会社は私の仕事内容に対して給与が低すぎたので、ここでは大幅な昇給を期待しています)
→ 前職への不満を強調する言い方は、ネガティブな印象につながりやすいため避けましょう。
書類・メールでの希望年収の伝え方

希望年収は面接の場だけでなく、履歴書や応募フォーム、採用担当者とのメールでも伝える機会があります。それぞれの場面での適切な表現を押さえておきましょう。
履歴書や応募フォーム
履歴書や応募フォームに希望年収を記載する場合、具体的な金額を断定的に書くよりも、企業の規定や選考状況に応じて柔軟に対応できる旨を記載するのが一般的です。
- “Negotiable”(応相談)
- “Open to discussion based on the role and responsibilities”(業務内容に応じて相談可能)
- “Following company guidelines”(御社の規定に従います)
なお、具体的な金額を求められた場合は、面接と同様に総支給額ベースで、幅を持たせた金額を記載しましょう。
メールでの英語フレーズ集
採用担当者やエージェントとのメールでは、希望年収についてやり取りする場面が多くあります。よく使われる表現を以下にまとめます。
自分の希望を伝える表現
- “I am expecting an annual salary of approximately 8 million yen.”
(年収約800万円を希望しています) - “My desired annual salary would be in the range of 7 to 7.5 million yen.”
(希望年収は700万〜750万円の範囲です) - “I would be happy to discuss the details further during the interview.”
(詳細は面接の際にあらためてご相談できれば幸いです)
最低ラインや交渉の余地を表す表現
- “My minimum acceptable salary would be around 6.5 million yen.”
(最低でも650万円程度を希望しています) - “I’m flexible on the exact figure, depending on the overall compensation package.”
(報酬パッケージ全体次第で、金額には柔軟に対応します)
希望年収に関するよくある質問(Q&A)
Q. 面接で希望年収を聞かれなかった場合はどうすればいいですか?
A. 必ずしも面接中に聞かれるとは限りません。聞かれなかった場合は、無理に自分から切り出す必要はなく、内定後の条件提示の段階で確認・交渉することも可能です。ただし、応募書類やエージェントとのやり取りで事前に希望を伝えておくと、選考がスムーズに進みやすくなります。
Q. 思わず低い金額を答えてしまった場合、修正は可能ですか?
A. 面接の場で訂正するのは難しいこともありますが、面接後のお礼メールや、エージェントを通じて「先日お伝えした金額について、改めて確認したい点がございます」といった形で補足することは可能です。早めに対応するほど、印象への影響を抑えられます。
Q. 未経験の職種に応募する場合、希望年収はどう答えればいいですか?
A. 未経験の場合は、現職の年収をベースにしつつ、業界・職種の未経験者向けの相場も併せてリサーチしておきましょう。「経験は浅いものの、これまでのスキルをどう活かせるか」を説明したうえで、現実的な金額を提示すると説得力が増します。
Q. 面接で自分から希望年収について質問してもいいですか?
A. 問題ありません。特に求人情報に給与レンジが明記されていない場合は、”Could you share the salary range for this position?”(このポジションの給与レンジを教えていただけますか)のように尋ねることで、より的確な希望額を伝えることができます。ただし、一次面接の早い段階で給与の話ばかりを切り出すと、給与にしか興味がないという印象を与えかねないため、タイミングには注意しましょう。
Q. 履歴書に希望年収を必ず書くべきですか?
A. 応募先が指定している場合は記載が必要ですが、特に指定がなければ「応相談」「御社の規定に従います」といった表現でも問題ありません。具体的な金額を書く場合は、面接での発言と矛盾しないよう注意しましょう。
キャリアプランの伝え方

希望年収と並んで、英語面接でよく聞かれるのが「キャリアプラン(Career plan)」についての質問です。自己評価や将来のビジョンを問うこの質問は、希望年収の根拠にもつながる重要なテーマです。
採用担当者は、応募者が描くキャリアプランが自社で実現可能かどうか、そして長期的に活躍してくれる人材かどうかを見極めようとしています。そのため、短期的な目標と長期的な目標の両方を、応募先企業での貢献につなげて説明することがポイントです。
質問例
“What is your career plan for the next few years?”
(今後数年間のキャリアプランを教えてください)
回答例
“In the short term, I hope to further deepen my expertise in supply chain management and contribute to improving operational efficiency. In the long term, I would like to take on a leadership role and mentor junior team members to help build a strong, collaborative team.”
(短期的には、サプライチェーンマネジメントの専門性をさらに高め、業務の効率化に貢献したいと考えています。長期的には、リーダーシップを発揮してチームの育成にも関わっていきたいです。)
このように、短期・長期それぞれの目標を具体的に語り、応募先企業での成長と貢献を結びつけて伝えることで、希望年収の根拠にも一貫性を持たせることができます。「なぜこの金額を希望するのか」「将来的にどのように価値を発揮していくのか」をセットで説明できると、面接官への説得力が大きく高まります。
逆質問で好印象を与えるコツ
英語面接の終盤では、”Do you have any questions for us?”(何か質問はありますか?)と逆質問の機会が設けられるのが一般的です。この時間をうまく活用することで、入社意欲や企業理解の深さをアピールできるだけでなく、年収交渉のタイミングとしても活用できます。
まずは給与以外の質問を準備し、業務理解や成長意欲を示すことを優先しましょう。
業務内容や評価制度に関する質問例
- “What are the biggest challenges facing your team this year, and what would you expect from this position to help address them?”
(今年このチームが直面している最大の課題は何でしょうか。この課題解決のために、本ポジションに期待される役割を教えてください) - “What does the performance evaluation process look like for this role?”
(本ポジションの評価制度はどのようになっていますか?) - “What are the medium- to long-term career paths for someone in this position?”
(本ポジションにおける中長期的なキャリアパスはどのようなものでしょうか?)
こうした質問を通じて業務理解や貢献意欲をアピールしたうえで、面接の終盤でまだ給与レンジについて十分な情報を得られていない場合は、以下のように切り出すと自然です。
- “Before we finish, could you share the salary range for this position, if possible?” (最後に、可能であればこのポジションの給与レンジを教えていただけますでしょうか)
逆質問は、企業への関心と理解度を示すと同時に、年収を含む条件面をすり合わせる重要な機会でもあります。仕事内容への熱意を伝えたうえで条件面の質問をすることで、給与だけに関心があるという印象を避けることができます。
まとめ
英語面接で希望年収を聞かれたとき、大切なのは「企業がなぜこの質問をするのか」を理解したうえで、根拠に基づいた金額を、幅を持たせて伝えることです。現職の給与や生活費の確認、業界相場のリサーチ、自分の市場価値の整理といった事前準備を行ったうえで、総支給額ベースで、謙虚さと柔軟性を示しながら回答することが、好印象につながるポイントです。
また、キャリアプランの伝え方と希望年収の根拠に一貫性を持たせること、そして面接終盤の逆質問を活用して条件面をすり合わせることも、面接全体の評価を高めるうえで欠かせません。書類やメールでのやり取りも含めて、一貫した姿勢で希望を伝えられるよう、本記事の内容をぜひ面接対策に役立ててください。

