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経理人材不足の原因と解決策|外資系企業が直面する課題と実践的対応

近年、多くの企業が「経理人材不足」に直面しています。人口減少と高齢化によって労働市場全体が縮小するなかで、専門性の高い経理業務を担える人材の供給は限られ、採用競争が激化しています。さらに、デジタル技術の導入や会計制度の改正によって求められるスキルが高度化し、既存の社員に負担がかかる構造が続いています。この記事では、経理人材不足の原因や影響、具体的な解決策を整理するとともに、外資系企業における経理人材不足の特殊事情についても解説します。

経理人材不足が起こる背景
労働人口の減少と経理業務の高度化

日本では生産年齢人口の減少が続いており、各業界で人材確保が難しくなっています。経理の仕事は帳簿の入力や決算処理など定型業務に加え、会計基準や税法の改正への対応、経営分析など広範なスキルが求められます。近年ではインボイス制度や電子帳簿保存法など法制度の変更が相次ぎ、勘定科目や記録方法を更新する作業が増えています。これにより、一人の担当者が担う業務量や要求される知識が増大し、教育や育成に時間を掛けられない企業では経験者を求める傾向が強くなっています。専門性の高さが採用のハードルを上げ、結果として人材不足が長期化しています。

経理部門が「コストセンター」と認識されがちな問題

多くの企業では経理部門を直接利益を生む部署ではなく「間接部門」と見なしがちであり、人件費削減の対象になりやすいです。人員増や教育投資が後回しにされることで、既存の担当者に業務が集中し、残業や休日出勤が常態化します。このような環境では離職率が高まり、さらに人手不足が進む負のスパイラルに陥りやすくなります。また、定型的な作業が多いと判断されがちですが、実際には数値の正確性と法的遵守が必須であり、専門的な知識が求められる職種です。この誤解が採用予算や育成体制に影響し、経理人材不足を加速させています。

デジタル化と人材ミスマッチ

近年、クラウド会計ソフトやRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)、AIを活用した仕訳自動化などデジタル技術が急速に導入されています。この変化に対応できる人材が十分に育っていないことも課題です。経理担当者に求められるのは簿記の知識だけでなく、システム操作やデータ分析スキル、法規制への理解など多岐にわたります。デジタルに強い人材はIT職種に流れやすく、経理部門への応募者が少ないことも採用難の一因です。企業側も新しいシステムを導入しながら運用マニュアルが整っていない場合が多く、教育の負担が大きいです。こうした人材のミスマッチが、経理人材不足の背景にあります。

経理人材不足がもたらす影響
業務の遅延と誤謬の増加

人手不足が続くと一人当たりの業務量が増え、伝票処理や決算報告の締切に遅れが出ます。月次・四半期・年次決算が遅れると、経営者は適時に経営状況を把握できず、投資判断や資金調達のタイミングを逃す恐れがあります。また、限られた人員で作業をこなすことでチェック体制が甘くなり、入力ミスや金額の誤記載など不正確なデータが発生しやすくなります。これが税務申告の誤りや監査指摘につながり、会社の信用低下や罰則のリスクを高めます。

不正や情報漏洩リスクの増大

経理部門では資金移動や支払処理を取り扱うため、適切な内部統制が不可欠です。しかし人手不足で担当者が固定化すると、業務が属人化しやすくなり、不正や横領が発見されにくい状態になります。また、十分な担当者がいないために権限分散が行われず、一人の担当者が入金から支払いまで全てを管理する状況は危険です。さらに、紙やメールで情報をやり取りする時間が長引き、セキュリティ対策が後手に回ることで、個人情報や取引情報が漏洩するリスクが高まります。

従業員の疲弊と離職

慢性的な残業や休日出勤が続くと、担当者の精神的・身体的負担が増え、モチベーションの低下やメンタルヘルスの悪化を招きます。経理部門は繁忙期と閑散期の差が大きいため、決算期に人手が不足していると長時間労働が常態化し、健康問題を引き起こすこともあります。疲弊した職場環境は離職につながり、その穴を埋めるためにさらに業務が集中するという悪循環に陥ります。こうした負担の増加は部門全体の生産性を低下させ、企業の競争力にも悪影響を与えます。

経理人材不足への解決策

採用戦略の見直し

経理職の求人が売り手市場であることを踏まえ、採用活動では自社の魅力や働き方の柔軟性を積極的にアピールする必要があります。具体的には、在宅勤務やフレックスタイムなど柔軟な勤務体系の導入、研修や資格取得支援制度の充実、待遇改善による報酬競争力の強化などが挙げられます。また、経理経験者だけにこだわらず、ポテンシャル採用や未経験者への教育投資を検討することも重要です。業務を細分化し、基礎的な作業を担当するジュニアスタッフと高度な判断を行うシニアスタッフの役割を分けることで、幅広い候補者に対応できる採用を実現できます。

育成と業務の標準化

経理人材を確保した後は、育成によって能力を引き上げる取り組みが欠かせません。マニュアル整備やOJTに加え、外部セミナーや資格取得支援により専門知識を深める環境を用意します。また、業務フローの見直しと標準化を行い、属人化を防ぐことが重要です。作業手順を文書化し、誰でも同じ手順で処理できるようにすることで、特定の担当者に負荷が集中するのを防ぎ、不在時の業務引継ぎを円滑にします。標準化はミスの減少にもつながり、効率的な組織運営に寄与します。

デジタルツールの活用による効率化

クラウド会計ソフトやRPAは、仕訳入力や請求書処理など繰り返し作業を自動化し、担当者の負担を軽減します。AIを活用した経費精算システムや不正検知ツールも導入が進んでおり、データ分析による経営支援を可能にします。デジタル化は単に効率化を図るだけではなく、業務プロセスの可視化を促し、標準化や内部統制強化にも役立ちます。ただし、システム導入には初期投資や教育コストが必要であり、既存の業務プロセスとの整合を図るために慎重な計画が求められます。

アウトソーシングと派遣の活用

リソースの不足を補う方法として、経理業務のアウトソーシングや派遣社員の活用も有効です。専門的な会計事務所や経理代行サービスを利用すれば、繁忙期や特定の業務に限定して外部の専門家を投入できます。特に決算期に一時的な増員が必要な場合や国際会計基準への対応が必要な場合には有効です。派遣社員や業務委託を活用する際は、情報管理や内部統制の観点から契約条件やセキュリティポリシーを明確にし、委託先の品質を確認することが重要です。

働き方改革と組織文化の改善

長時間労働が常態化すると人材が定着しません。休暇取得の促進、業務負担の分散、無駄な作業の削減などに取り組み、働きやすい環境を整えることが人材確保に直結します。管理職は部門の業務量を把握し、早めにヘルプを配置するなど人員調整を行います。組織全体で業務改善を行い、経理部門をサポートする体制を構築することが、根本的な人材不足の解決に向けて必要です。

外資系企業における経理人材不足の特殊事情

日本市場に進出する外資系企業では、一般的な経理人材不足に加えて独特の課題があります。ここでは、外資系企業が抱える課題と対応策を整理します。

バイリンガル人材の不足

外資系企業の経理担当者は本国や地域統括会社への報告業務を担うため、英語や場合によっては複数言語でのコミュニケーションが必須となります。日本国内で英語に堪能で会計の専門知識を持つ人材は限られており、採用市場では争奪戦が起きています。実際、海外事業を拡大する日本企業もバイリンガル人材を積極的に募集しているため、外資系企業同士だけでなく日系企業との競争も激しいです。バイリンガル人材の希少性は給与水準を押し上げる要因にもなり、予算面で採用が難航するケースも少なくありません。

国際会計基準や報告体制への対応

外資系企業ではIFRSやUS GAAPなど国際会計基準に基づく報告が必要となります。日本の税法や会社法と異なる基準で決算資料を作成し、本社へタイムリーに提出するためには、国際会計の知識を持つ経理担当者が不可欠です。しかし、国際基準に精通した人材は日本国内でまだ少なく、経理の教科書や資格試験も米国公認会計士など高いハードルが設定されています。このため、国際会計や英文会計の実務経験を持つ人材の確保は非常に難しい状況が続いています。

ジョブ型採用と即戦力重視

多くの外資系企業はジョブ型の採用制度を採用し、明確な職務内容に対して即戦力となる人材を求めます。新人研修や長期的な育成プログラムが少ない企業も多く、経理未経験者が採用されることはほとんどありません。そのため、海外の会計基準や税務に関する経験を積んだ人材が限られるなかで採用活動を行う必要があり、企業間の争奪が熾烈になります。また、成果主義が徹底されているため、入社直後から高い成果を求められ、候補者側にもプレッシャーが大きいです。

アウトソーシングとコスト管理の難しさ

外資系企業は決算前に急いで経理アウトソーシングを依頼するケースが多く、専門会社に依頼が集中する時期には対応できないこともあります。さらに、英語対応が必要な場合は料金が大幅に上がることがあるため、予算内で必要なサービスを受けるには早期の計画が欠かせません。外国語対応や国際会計基準の知識を持つスタッフを揃えているアウトソーシング会社は限られており、短期間で依頼すると受けられない場合もあります。そのため、計画的に外部リソースを確保するか、社内でバイリンガル人材を育てる必要があります。

外資系企業向けの解決策
  1. バイリンガル人材の育成と採用チャネルの多様化:大学や専門学校との連携や国際資格取得支援、海外経験者の中途採用など、長期的な人材育成に投資します。また、在留外国人や帰国子女、海外大卒業者など、多様なバックグラウンドを持つ人材を採用することで、バイリンガル人材を確保しやすくなります。
  2. 英文会計・国際会計基準の教育:社内研修や外部講座を利用して既存の経理担当者にIFRSやUS GAAPの基礎を学ばせます。実務を通じて知識を深める機会を提供し、外部の専門家と連携してレビューを受ける体制を構築します。
  3. アウトソーシングの計画的利用:決算期や繁忙期前に早めにアウトソーシング先と契約し、作業量を分散させます。英語対応が必要な業務を明確にし、読解や文書作成のみ外部に依頼するなど業務範囲を調整することで、コストを抑えつつ品質を確保します。
  4. テクノロジーの活用:国際会計基準に対応した会計ソフトや多言語対応のクラウドツールを導入し、報告書作成やデータ集計の負担を減らします。自動翻訳やAIツールを用いて英語文書の下書きを作成し、専門家がチェックする仕組みを取り入れることで効率化を図ります。
今後の展望とまとめ

経理人材不足は短期的に解消する問題ではなく、労働人口の減少や業務の高度化を背景に長期的な課題となっています。しかし、企業側の取り組み次第で影響を緩和し、経営の安定を図ることは可能です。採用戦略の見直しや教育への投資、業務の標準化、テクノロジーの活用、柔軟な働き方の導入など、多方面からのアプローチが重要です。外資系企業においては、バイリンガル人材の確保と国際会計基準への対応という追加のハードルが存在しますが、計画的な人材育成とアウトソーシングの活用によって問題を乗り越えることができます。

経理部門は企業の財務状態を正確に把握し、経営判断に貢献する要となる部署です。人材不足が続く時代だからこそ、経理業務の重要性を再認識し、企業全体で支援する取り組みが求められています。課題を正しく捉え、柔軟かつ先進的な解決策を取り入れることで、持続可能な経理体制を構築していくことが求められます。

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